強制収容所の移転
ついに審判の時がきた、
神をも恐れぬバカどもが6階建てのバベルの塔を建ててしまった。
本来なら完成目前で神の怒りの裁きのいかずちにより、
粉々に破壊されるはずなのだが、
残念ながら今のところ破壊されていない。
ここはせん越ながらお忙しい神にかわって私めが、
天誅ということで爆弾でも仕掛けて破壊してやりたいのだが、
残念ながら一般人には私の崇高なる行いが理解できないので、
私が捕まってしまいかねない。
(神の御加護があれば大丈夫だろうが、万が一にも捕まりたくはない)
こうして神の試練により、強制収容所もバベルの塔の5階に移転することになった、
人類の英知を結集して作っただけに、バベルの塔内の強制収容所の監視態勢は、
以前の収容所とは比べ物にならないほど完璧に近い形になっていた。
最大の問題はなんといっても奴(教授)の部屋が研究室のとなりにあることだろう、
さらにどこのバカが考えたのか知らないが、御丁寧にその研究室と奴の部屋がドアでつながっている。
おかげでうかつに無駄話をすることもできないし、
いつ部屋に入ってくるとも知れないので実験の方もままならない。
(私は時間圧縮法を非公認で使っているので、実験をしているところを絶対に奴に見せることができない)
また研究室は結構広いので奴の部屋とつながっているドアと
最も離れているところがせめてもの憩いの場となるはずなのだが、
消防法により実験室には2つで入り口があり、その憩いの場も
いつ奴が入ってくるかもしれない危険な場所になる。
この最悪の収容所への移転は8月9日で、他の研究室もだいたいその前後の日に
移転することになっていた。
移転自体は業者が古い研究室から新しい研究室まで運んでくれるので、
私達は運んでもらう物をダンボールにつめておけばよい。
他の研究室は2週間ぐらい前から移転の準備をして、
実験器具や機械などもたいしてないので3,4日ぐらいで終わり、
あとは移転の日まで休みになっていた。
それに対して私の研究室では、部屋が2つあるので簡単に考えただけでも
荷物の量が2倍、
さらに機器分析を行っているので機械が普通の研究室数倍はあり、
10年以上使っていない機械や実験器具などをもったいないからといって奴が
捨てさせないので、いらないけど持っていかなければ行けない荷物が山ほどある。
このように他の研究室よりはるかに荷物が多い、
だが奴はそのことが全くわかっていない、
そして奴はこんなことを言った、
「移転の準備なんて3日、遅くとも4日もあれば十分だろう」
はあ?
4日だと?
なんだそれは、96時間ということか?
一日8時間と考えて12日間、それなら何とかなるだろうけど、
時間の概念がない奴のことだから、
ひたすら私達をこき使って働かせるだけ働かせるつもりなんだろう、
相変わらず、むかつく奴だ。
どう考えても終わらないので、一応私が大学院2年で研究室では
一番上になるので、もう少し時間を取ったほうがいいんじゃないかと進言したが
奴は全く聞き入れなかった。
この奴のなにも考えていない思いつきだけの発言のしわ寄せは、
私達にだけかかる。
奴の言う通りにやっていたら準備は終わらない、
でも業者は待ってはくれないので私達が4日間死ぬほど頑張らなければいけなくなる。
さらに奴は物事が自分の思ったとおりにすすまないとかなりキレやすくなる、
本当にささいなことでキレるので
ひたすらキレまくり、移転の準備は地獄となることは必至だろう。
そしてこの考えの行きつく所はただ1つ、
奴キレる
奴キレる
奴キレる
私もキレる
奴さらにキレる
私もさらにキレる
私はもう実家に戻ることが決定しているので、大学院を卒業する必要は全くない、
よって大学院をやめることになんのためらいもない、
でも奴はむかつくから適当にぼこぼこにするが、やりすぎて
捕まってしまうことがあるかもしれない、
1歩間違えると犯罪者、そうでなくても今まで耐えた大学院の1年3ヶ月が
無駄になってしまう。
やはりこれは避けたい、そうなると・・・。
バカな教授を持つと本当に苦労する、
とりあえず4年生は今はたいした実験もしていないので、
実験をやりながら少しずつでも実験器具などをダンボールにつめていくように
してもらう。
私も実験のあいだに自分の部屋の方を少しずつ片付ける。
これを移転の2週間くらい前からはじめておいた。
移転の準備が始まったのは8月3日からだった。
夏休み中は土曜日はどこの研究室も休みなので、
普通に計算すると移転日まで4日の猶予しかない。
でも奴は狂っているので土曜日もちゃんとあるので実質5日間。
8月3日 移転準備初日
先に行っておいた準備のおかげで、すでにかなりのダンボールが山積みにされていた。
奴はなにも言わなくても、なぜか基本的に午前9時にきていないといけないことに、
勝手に自分の中でなっている。
私は収容所暮らしが長いのでそのことがちゃんとわかってるので、
午前9時には収容所にいた、
前日に4年生にも9時にはきておいた方がいいと言っておいたのだが、
収容期間が短い彼らにはそのことがよくわかっていなくて何人かが
9時半すぎに来た。
この日は初日ということもあり、ほとんどなにも言わなかったがやはりちょっと
不機嫌だった。
予想通り移転準備はめちゃくちゃ大変だった。
すでに結構準備をしていたにもかかわらず、まだまだ運ぶ物は山ほどあり、
ひたすら片付けつづけて午後6時に初日は終了したが、いまだに1つ目の部屋も終わっていない。
まだ私の部屋があり、普通は私達のように少しづつ自分で片付けるのが当たり前なのだが
奴は普通の人ではないので、全く片付けられていない奴の部屋にある奴の私物や本なども私達に
片付けさせるつもりだろうからのこり2部屋もある。
やっぱり片付けが終わるのは移転日前日、または当日になるようだった。
8月4日 移転準備2日目
本来ならこの日は昨日終わらなかった部屋をやるのだが、
私が8月5日に用事があって休むので、私の部屋を先に片付けることになっていた。
この日も2名ほど9時半すぎに来た、私は直接自分の部屋に行っていたので
聞いていないが、
来たと同時に奴にちょうどあってしまって奴が、
君達6人より三万円使って3人アルバイトを雇った方がはるかに早く進む
といいやがったらしい。
こっちはただでやってやってるし、日当1万円もらってもいいくらい働いてる、
もし私が言われたら、
じゃあ今からアルバイトを探して三万出して雇えよ、
といって全員を連れて速攻帰ってやるね。
言われた2人は1人は女性でもう1人はおとなしい男なので、
ちょっとむかつくくらいでなにも言わなかったらしいが、
他の2人の四年生だったら私と同じ行動をとっていただろう、
奴のことだからこいつらなら言い返さないだろうと予想していい、
間接的に私達に伝わることで直接言い返されることを避けて
自分の考えていることが伝わるとか考えたんだろう、
言い返しそうな奴には直接言わずに間接的にネチネチと
伝えるなんて本当にむかつく奴だ、
なんでこんな奴がシャバにいられるんだ?
警察は何をやってるんだ、さっさとこいつを捕まえにこいよ。
早く捕まえないとまた不祥事になるぞ。
そしてこの日は朝から昼にかけて奴の機嫌は最高に悪かった、
私の部屋に来るとすぐにキレまくり当り散らした。
危うく私もキレそうになったが何とか抑えることができた、
幸いだったのは私が先の話を聞いたのが昼過ぎだったこと、
もし朝聞いていたら速攻キレて、頑張って避けようとしていた最悪の事態に
あっさりなっていたことだろう。
この日もひたすらこき使われて午後7時まで働いて、
なんとか私の部屋は終わった。
私は次の日が休みだからよいが3日連続となる他の人は大変だろうね。
8月7日 移転準備4日目
この日は土曜日に4年生の1人から電話があり、休みということになったとの事だった。
2日目にあの程度だったのに休んで言いのかなと思ったが、電話でそう言われたので休む。
すると午後になって4年生から電話がかかってくる、
電話は今日はなんで休んでいるのかというものだった。
私は土曜日に電話で連絡があり今日休みだと聞いたというと、
その電話をくれて人と私だけがきていないく、奴はかなり怒って
いるとの事だった。
何がなんだかわからないがとにかくすぐに行く。
当然の事ながら奴は御立腹だった、
とりあえず電話の話をしておいたが、
奴にとってはそんなことは関係ない、
奴は看守である自分がやっているのに収容員であるおまえ達がこないとはどういうことだとしか
思わない、
最高に機嫌が悪い状態での移転準備は最悪だった。
結局、私に電話してくれた4年生が午前は奴が用事があってこれないので休みで、
準備は午後から行うというのを勘違いして月曜日が休みであると思ったらしい。
この日も午後7時くらいまでこき使われて何とかはじめにやっていた部屋はほとんど終わり、
残すは奴の部屋だけになった。
8月8日 移転準備5日目
この日は初めて午前9時に全員集まった。
そして朝から奴の部屋の片づけをひたすらやらされる、
もちろん奴にはやってもらってるという考えは一切なく、
さっさとやれという感じで命令をする。
自分の言うことはきいて当たり前、俺様の役に立てることを光栄に思え
としか考えていない。
なぜこいつが存在していることを許されているんだ?
私がマダーライセンス(殺人許可証)をもっていたら、
世のため人のため自分のために速攻こいつをぶち殺してやる所だ。
どこかに勇気(殺意)ある17歳の少年が奴の家を襲撃して一家全員殺傷事件を
引き起こしてくれないかな、
その際奴だけは確実に殺してもらいたい、
家族は死んでいても生きていてもどっちでもよい、死んでしまったら
奴の親族であることだけでも十分死罪にあたるだろうからまあしょうがないね。
(こんなことを書いていて奴が何かの事件とかで死んだら、私が第1容疑者に間違いなくなるな)
いろいろありながらも私達の奴隷並の働きと、奴の人を家畜のように扱える人間ばなれした感覚で
なんとか移転の準備が終わる。
移転するダンボールにはなくならないように通し番号をつけていて、
その番号は150を超えた、
ちなみに他の所は100番ぐらいまででこれには
機械の番号なども含まれている。
私たちの所は機械の番号やダンボールに入れずに直接持っていってもらう
物も含めると200を超えていた。
8月9日 強制収容所移転日
この日も午前9時に全員が集まった、
9時半にはさっそく業者の人が荷物を運びにきた。
業者の人ははじめに荷物がどれくらいあるのかを聞いた、
そこで私がダンボールで150個くらいと、あと機械などが50個くらいですというと業者の人は、
結構多いですね、他の所は100ぐらいなのに・・・。(このとき口調は笑っているようだったが
、顔はかなり引いていた)
そりゃまあビックリするだろうけどね、研究室だけで2部屋分ぐらいだから
多くても当たり前といえば当たり前なのだが、業者の人はそんなことを知るわけもない。
とりあえず、業者もどうなってるんだという顔をしながらも、仕事なので運び始めた。
だかときどきいろいろ文句を言っていた、私が聞いたものは
この部屋どうなってるんだ?
なんでこんなに荷物あるんだよ。
こんなにもって行って新しい研究室に置く場所あるのかよ。
他にもいろいろいっていた、
まあ私が引越しの業者でも言うだろうね、
研究室単位でそれぞれ仕事をするので
私の研究室にあたった人は2倍の仕事をしなくては行けないからやっぱやだろうね。
移転は他の研究室なら午前中で終わるのが午後3時までかかった。
そして彼らの危惧したとおりに新しい強制収容所はダンボールで
埋め尽くされていて歩くのも困難なほどだった。
このあとも話はまだまだ続き、とても大きな事件が起きたのだがそれはまた近いうちに書くと思います。