くだらない出来事
1ヶ月半ぐらい前に実験がかわった。
その実験はいままでやっていない新しい物だったので、1つ1つが手探りの
状態ですすんでいった。
で、最近やっと実験の条件が決まり始めてきた。そんなある日に事件が起きた。
ほぼ実験条件が決まりかけて奴(教授)が突然この操作でやろうと自分で書いた紙を私に見せた。
それはいままでとかなり違っていた。
私はそのときは実験で7.5Mのアンモニア溶液
(このアンモニアの悪臭はかなりすごい、というか嗅げる状態の物ではない。
まともに嗅いだら2,3日鼻が全く利かなくなるぐらい)
を使うとかいてあって、
マジ?とそれにかなりびびって、他のことに目がいかなかった。
奴は自信満万にいうので間違いじゃないんだろうなーと、ちょっと落ち込みながら
新しい実験をやることにする。
とりあえず、いやいやながらも7.5Mアンモニア溶液を作る。
ドラフトという空調装置をつかってやっても悪臭はかなりの物だった。
(もちろん息を止めてやっているのだが、それでもキツイ)
本当にこれを毎日、しかも1日30回ぐらい使うのか?
0.75Mとかの間違いじゃないのか?
などと思いながらも、とりあえず実験をはじめられる状態になった。
ここでやっとある重大な事実に気づく。
それは新しい実験操作は、私の計算によると感度が今までの
5倍になっているということだった。
いままでの操作でも結構誤差があって5%ぐらいはどうしても出る。
新しい操作でも前の操作の誤差の値がそのまま出るので、下手をすると20%ぐらいの
誤差がでかねない。
おかしいなとは思ったけど、奴は自信満万だったし、
4年のときに同じようなことがあって操作について文句を言ったら、奴に
「僕には、僕の考えがあっていってるんだ! とにかくやれ!」
と怒られたことがあったので、仕方なくそのままやる。
で、検量線を書いたんだが、誤差が15%ぐらいあった。私としてはこれは当たり前、
むしろよくこれだけで抑えたなと、自分に感心したぐらいだったが奴は違った。
奴 「なんだこれは?なんでこんなにのらないんだ?もっと慎重に正確にやれ。
こんなに誤差が出るわけないぞ。」
私はこれはかなり限界に近いと思うんですけど、と言おうと思ったが、
奴が私がかいてきたグラフを見ても間違ってるなどと言わないから、
やっぱり感度5倍にするんだーというショックの方が大きくてなにも言えなかった。
しょうがないので、もう一度慎重に実験をやって検量線を書いてみる。
結果は誤差10%以内に抑えられた。(無理やり抑えた)
これはもう限界いっぱいだ!
これだけに抑えられたのは奇跡に近い、もしかしたらもう2度とこのようなことはできないかもしれん!
こんなことを思いながら、再び奴の所に行き、グラフを見せる。
そして奴がキレる
奴 「どうしてこうなるんだ!
お前まじめにやってるのか!
いままでちゃんと検量線がのっていたのに、なぜこんなに誤差が出るんだ!」
奴 + キレる → 私もキレる
この反応式にしたがって、いつもどうりに私もキレる。
私 「お前これ絶対無理だぞ。これだけ検量線がのってるのも奇跡にちかいぞ。
これがだめだって言うんなら、この実験そもそもできるもんじゃないんだよ。」
だが奴も自分の作った操作に自信があるらしく引かない。
奴 「絶対にこの操作で大丈夫なんだ!
私も昔これと似たような実験をやっていたが、そのときはちゃんとできた!
のらないのは君のやり方が悪いんだ!」
もちろん私は、最高傑作にいちゃもんをつけられて、さらにヒートアップする。
私 「昔お前がやったときはできたかもしれんが、俺にはできん!
だいたいこれでもし何十回か引いてのるようになったとしても、
他の奴はだれもできねーよ!
そんなんじゃあ、この実験操作を確立しても意味ねーだろが!
だいたい感度5倍にして、実験操作はほとんど変わらないんだから、
誤差もほぼ5倍になるに決まってるじゃねーか。」
ここで奴が突然冷静になる。
奴 「感度5倍?なんだそれは?そんなことはしてないぞ、君が勝手にやったのか?」
私はいまさらなにいってやがるんだこいつは?と思いながら説明をする。
説明をすると奴が、これは違う、どこが違うんだ?とかいって悩み出した。
私は
違うんかい!
と突っ込みをいれそうになったが寸前で何とかこらえる。
結局、奴が作った操作が間違っていた。
本来ならお前が悪いんじゃねーかよ、と指摘する所なのだが、
感度5倍になって実験が全くうまくいかなくなっていたので、
やっとこれでうまくいくと言う安心感から、言うのを止めた。
再び新しい実験操作では感度は全く変わってなく、
7.5Mアンモニアを使うところも全く変わっていなかった。
これで検量線を書くと誤差2%できれいにのった。
奴のミスのおかげで4日くらい無駄にした。ホントいい迷惑だ。
普通の研究室ならこんなことは起こらないのだが、命令は絶対という君主制政治に
よる悪影響がもろにでた。
そして、あまりにもくだらない出来事だった。