8日目 「怒られサムライ2」


3月5日金曜日

今日は朝6時15分集合、
また高速で現場へ向かう、
今日は渋滞もなくスムーズに進み、
逆に早くつきすぎて8時10分にはついていた。

とりあえず工場長に挨拶をして現場に行く、
昨日の3回校正の結果を見る、
全然問題なし。


これで今日はまったりモード突入!


でもなんか実試料の値が小さい、
昨日の夜に測定させておいたのだが、
20のレンジに対して4ぐらい、
5のレンジに対して0.3ぐらい、
COD50のレンジに対して5ぐらいしかなかった。

うーんこれはどうなんでしょう?
普通測定というのはある程度感度のあった良いレンジを選ぶ、
だいたいレンジに対して半分ぐらいの値になるのが良い、
これだとレンジに対して1/5から1/10ぐらいになる、
この測定でいくとレンジに対して値が小さいので、
データのふらつきは少なくなる、
値としてはいい値が出るのだが果たしてそれは信頼性があるのだろうか?
という問題が出る。

これはこのまま公正OKということでデータ出してもいいのかな?
と私がK氏に尋ねると、

何か問題があるのと聞かれたので上記の説明をすると、
そういうものなの?じゃあまずいのかなー、
でも一応指定された値で校正かけてるからどうかな?
といわれたので、

指定された値はいいとしても、
これで校正してもレンジが違いすぎるからダメといわれる可能性があるから、
確認したほうがいいと思います。

さっそくK氏がS社の課長に電話をかける、
話をした結果、
本当は変えたほうがいいんだけど指定されてそれで測定しているからいいんじゃない?
との事だった。

まあいいならいいか、
でもCODは測定値が1/10しかないけどこれでさらに減ったら正確性さっぱりないけど・・・、
まあ環境基準より低い値なら別に正確性がなくても良いということだろう。

ただレンジは変えなくていいけど、
性能測定するためにはやはりある程度物が入っていないとあとで出す分析結果との違いが大きくなるかもしれない、
だからできるだけいっぱい入っているところでサンプルとって測定して。
といわれたみたい、

いっぱい入っているところってどこ?
と聞き返したら、

上流のほうかなー、
処理されていないところでとってみてよ、
といわれたみたい。

そこで電話は終わったようだが、
上流のほうでとるのはいいけど、
その場所を工場長に聞かなければいけないんですけど・・・、
そうなるとなんでここのサンプルじゃダメなのと聞かれて、
レンジに対して値が小さいからなんていった日には、


じゃあレンジ変えなくちゃダメでしょ!


とマジ切れモード再突入になる可能性が高い、
それだけは勘弁してもらいたいっス。

さてどうしようか?
本当は性能測定用に標準液をもってきているので、
それとサンプルをブレンドして値を大きくすることはできるのだが、
それだとサンプル:標準液=1:1ぐらいでまぜなければいけない、
それはサンプルの成分が大きく変わりすぎる、

さらにそれで高い値が出たとしてその結果を見せて、

うちの工場こんなに出してない!

といわれたらまた目も当てられない、

結局、もうあまり気にせずにそのままここのサンプルでやって、
上流でとったけど値変わらなかったと言い張るのが一番ということになる、

早速サンプルをとってセットして性能測定を始める、
これからはまた時間がたっぷりあるので、


まったりモード突入!


と思ったらなんか工場長によばれる、
サンプルの作り方を教えてほしいとのこと、
なんかサンプルセットはS社で売っているのだが(もとは和光純薬工業の製品)それが1ヶ月で10万円ぐらいするらしい、

えーちなみに私が作ったのなら1時間で簡単にすべて作れます、
原料費は安いものばかりなのでかかっても3,4千円ぐらいです。
それを10万円で売るとは・・・、ちょっとやりすぎでは?


この会社も自分のところに試薬とかがあるようで作るのは別に簡単みたい、
それならつくらなくちゃ損ですねと話しながら説明する。

この作る試薬の中になんか1mgレベルで計量するものがあるらしく、
それを測定するのに秤量天秤あるけど使い方わからないから教えてといわれる、
どうもそれがS社製らしいので一応見てみることにする、

持ってきたものは博物館においてありそうな秤量天秤だった。

私のむかーーーしの記憶をたどると、
大学2年生のときの分析化学実験のときに一応こういうものもあるからということで、
電子秤量天秤ではなくアンティークな秤量天秤をつかったことがある、
これはダイヤル式で重さを追加していってオーバーするとはかりが落ちるのでそれで重さがわかるというもの、

持ってこられたのもこのタイプのものだった、
なつかしー、と思いながらそれを見る、
でもなんかちょっとづつ形が違う、
なぜか光源がありそこからプリズムを通して反射させて表側に出てきたりしている、
うーんさっぱりわからないです、
他のダイヤルなどは大体同じような感じなんだけど、
これはいまいちわからない。

一応いろいろと試してみたがダメ、
これはどうしたものかなー、
ちなみにどれくらいの重さを量るんですか?
と聞いてみると、

なんか1つだけ難しいのがあって、
それはなぜか0.432gをとって100mlにすると書いてあった、
しかしこの溶液は明らかに反応を促進したりするためだけのもので、
吸光度を直接見たりする物質ではないため少々違っていてもさっぱり関係ない、


よって私は、

こんなの0.4gでも0.5gでも問題ないです、
適当にとって入れてやってください、
とあっさり答える。

そんなのでいいの?
ときかれたので、

全然問題ないです、
このマニュアルはなに考えているのか知らないけど、
たぶん100mlでつくるにはある量が必要だからそれだと何gになるのかをただ計算しただけです、
まあよくわからない人が書いたんじゃないですかね、
こんなの約0.45gとか書いておけばいいんですけどね。

なんなら吸光度を測定する物質でも少々違っていたとしても校正で検量線を1週間に1回書き直しているので、
その吸光度で値が補正されるのでさっぱり問題ないです。

まあそういうように適当に作るんだったら試薬を変えたらそのときに校正をしてやれば大丈夫です、
安全を考えるなら試薬変えるたびに校正をしたほうがいいですかね。


工場長は納得したようだが、
まだ質問があった、

工場長「この標準液も1.324gとってとか書いてあるんだけど適当でいいのかな?」

私「いやこれはまずいです、これ適当に作ると検量線がおかしくなってデータすべて狂います」

工場長「じゃあ買うしかないのかな?」

私「いえこれはすでに液体にしてある標準液が売っていますのでそれを買えばいいと思いますよ、
標準液なんで高いですけどそれでもうちの会社から買うよりは全然安いです」

工場長「そうなんだ、それはよかった、ありがとう」

これで工場長のハートはゲットです!

いやー無駄知識もたまには役に立つものです、
工場長の機嫌もよくなったことだし、
例のあの件を話しておかなければいけないんじゃないかなー?
とK氏に合図する、


K氏がすかさずきりだす、

K氏「あのーレンジなんですけど、
レンジに対して実際の濃度がかなり少ないんですけどそれでよろしいんですよね?」

工場長「少ないってどれくらい?」

K氏「1/5から1/10ぐらいです」



工場長「そんなに違うの!」



やばい一気にマジ切れモードに突入しそうだ、


K氏「いや一応指定された標準液で校正かけているんですけど・・・」

工場長「指定されたって誰に?」

K氏「お客さんのほうだと思うんですが・・・」



工場長「指定なんかしてないよ!
なに勝手に決めてるの!
そんな話一切なかったよ!」




K氏「えーと、ここのサンプルの1年間のデータをいただきましてそれに対していくつかと決められたと思うんですが・・・」



工場長「データは渡したけど、
レンジについては一切聞いていないよ!」




またまたピンチです、
さっきまでの和やかムードが一気に大嵐になってしまう。

とりあえず営業に連絡を取るということでその場を収める、
K氏が急いで営業に連絡を取る、

話によるとS社がもらったデータから決めたらしい、
とにかく工場長の話を聞いて何とかしてとの事、
でももし変えろって言われたらまた標準液を作り直して校正やり直しなんですけど・・・
それじゃあ明日仕事しても終わらないよ・・・。
そんなこと工場長にいえるものなのか?


とにかくもう一度話をすることになる、
機械の前で今こんな状況ですけどどうでしょうか?
というと、

逆にレンジが小さくてダメといわれた、

よくわからないけど、
CODともう1つの物質についてはレンジにしては測定している値が小さいが、
多くなったときにレンジオーバーではかれないと困るからこのままでいいとのこと。

でももう1つは基準値が20なのに20のレンジではかっていたら、
オーバーしたときにどれぐらいオーバーしたのかわからないから困るだろ、
とのこと、

これだとレンジ変えなくてはいけなくなる、
そうなるとこの物質だけやり直しになる、
まあしょうがないといえばしょうがない、
工場長がそれで納得するならまあいいか、
半分あきらめ状態。

でもK氏が、
今回の測定は性能測定なのでこのレンジでも問題ないです、
だから性能測定を終わって後日の説明会のときに標準液を持ってきてレンジ変更します、
とりあえずは実試料の値は測定できているのでこのままやらせてください。

しばし工場長が悩む、
その後、重い口が開く

「まあ、こっちもCODの相関しなければいけないから早く性能測定終わってほしいし、それでやってもらうか」

思わぬお言葉、
これでなんとか性能測定はおわらせることができる、
あとはまあ説明会に来る人がなんとかするだろう、

しかしさすがK氏、
この偽技術者の仕事を3ヶ月近くやっているだけはある、
打たれずよさが全然違う、
怒られた回数が違う、
さすが怒られサムライ、
経験がこのように人を強くしていくのでしょう。
(でもこんな強さほしくないっス)

さてOKがでたので早速性能測定に入る、
実試料のサンプルを取って標準液をセットして性能測定スタート、
この機械はすべてのサンプルを1回取るのに40分かかる、
ゼロ3回、標準液3回、実試料3回測定なので、



6時間待ち!



ひたすら待ったりしてまつ、
本を読んだり、寝ていたり、パソコンで文章書いたり、
まったり、まったりといった感じ。

一応データが出る時間には見に行っておかしくないかチェックはするが後はひたすら待ち、
いやーこんなに時間があるとこまっちゃうなーという感じ。

4時半ぐらいに測定が終わる、
でも実試料の値がなんかふらついていたのでもう実試料だけ測定するように機械を設定してかえることにする。

工場長に挨拶して返ろうとすると、
切り替えの話が出る、
明日、流量計のデータがこの機械に入力できるようにするのだがそれは大丈夫なのか聞かれた、
ついでなので物を見せてもらうとなんか普通にデータが入る線が2本あるだけなので、
それをこの機械に持っていけばよいことがわかる。

なんか線長いけどまあ最悪は切ってまた端子をつけて短くしてやればよい、
なにせこっちには電気屋がいるんだから何とでもなるだろう。

そのままじゃあといってかえる、
金曜日なのでちょっと混んでいたがそれでも7時半には家に着いた。

今日は朝はちょっと大変だったけどまったりな一日だった、
本来はこの仕事はこういう時間がある程度あるはずなのだが、
結局今回が初めてだったな、
まあまだ1週間ちょっとだからそんなものかな。

明日はデータを回収して流量計の線を入れたらさようなら、
S社にもどってデータを渡して来週の用意をして5時には家に帰ってる予定。
(あくまで勝手な予定、トラブル起きたら・・・)