労働衛生一般
問1 化学物質の有害性に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
1 化学物質の有害性の発現は、体内の作用部位での化学物質の量による。
2 発がん性を除いて、化学物質の有害性の発現には閾値がある。
3 化学物質の体内蓄積性は、通常生物学的半減期で判定され、値が大きい
ほど蓄積性は高い。
4 化学物質の変異原性は、化学物質による遺伝子の直接障害による。
5 少量の化学物質でも、その一定量を毎日摂取すれば体内蓄積量は常に増
加し、やがて中毒となる。
問2 有害物質の摂取、吸収、代謝および毒性に関する次の記述のうち、誤って
いるものはどれか。
1 作業環境中の有害物質の摂取経路で最も多いのは経気道摂取である。
2 脂溶性物質は、皮膚から容易に吸収される。
3 経口的に摂取された有害物質は、肝臓で代謝を受けてから全身に分布す
る。
4 体内に吸収された有害物質は、すべて体内の代謝過程によって無毒化さ
れ、尿中へ排泄される。
5 トリレンジイソシアネートは、負荷量が小さくともアレルギー反応を起
こすことがある。
問3 次の有害物質のうち、血液障害を起こすものはどれか。
1 キ シ レ ン
2 ス チ レ ン
3 ベ ン ゼ ン
4 ノルマルヘキサン
5 四 塩 化 炭 素
問4 化学物質の健康障害に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
1 カドミウム粉じんの曝露が続くと、腎尿細管障害による低分子蛋白尿が
みられる。
2 鉛の影響として、尿中デルタアミノレブリン酸の増加は、貧血の出現よ
り遅れてみられる。
3 シアン化水素は、細胞内の酸化過程を阻害し、組織の化学的窒息を起こ
す。
4 一酸化炭素は、ヘモグロビンと結合することにより、その酸素運搬作用
を妨害し、組織の酸素欠乏を起こす。
5 ニトロベンゼンは、ヘモグロビンをメトヘモグロビンに変化させて、頭
痛、めまい、顔面蒼白などの症状を起こす。
問5 粉じんによる健康障害等に関する次の記述のうち、誤っているものはどれ
か。
1 じん肺を起こしやすいのは粒径がおよそ7μm以 下の粉じんである。
2 けい肺は、遊離けい酸の含有率の高い粉じんで起こる典型的なじん肺の
一つである。
3 アルミニウムや炭素の粉じんでもじん肺は起こる。
4 炭酸カルシウムの粉じんは滑石(タルク)の粉じんよりも有害性が高い。
5 息切れや動悸などの症状は曝露開始後早期には現れない。
問6 がん原性物質 A とそれによって起こる職業がん B との次の組合せのう
ち、誤っているものはどれか。
A B
1 ベータ-ナフチルアミン 皮膚がん
2 ベンジジン 膀胱がん
3 ベンゾトリクロリド 肺がん
4 塩化ビニル 肝血管肉腫
5 ベンゼン 白血病
問7 ガス中毒に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
1 臭化メチルは、わずかに臭いのある無色の気体であり、中枢神経系の障
害を起こす。
2 硫化水素は、無色無臭の気体であり、酸欠症を起こす。
3 塩素は、緑黄色で刺激臭ある気体であり、眼、気道粘膜、肺を強く刺激
する。
4 二酸化硫黄は、強い刺激臭のある無色の気体であり、眼、気道粘膜を刺
激する。
5 二酸化窒素は、黄色〜赤褐色の気体であり、肺水腫を起こす。
問8 金属またはその化合物 A と空気中に存在する状態 B およびその物質に
よって起こる健康障害 C との次の組合せのうち、誤っているものはどれか。
A B C
1 五酸化バナジウム 粉じん 気管支炎
2 酸化カドミウム ヒューム 肺水腫
3 クロム酸 ミスト 鼻中隔穿孔
4 金属水銀 蒸気 手のふるえ
5 二酸化マンガン ヒューム 蛋白尿
問9 有機溶剤に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
1 有機溶剤の蒸気は空気より比重が大きく、通気の悪い場所では滞留しや
すい。
2 有機溶剤は、脂肪に溶けやすく、血液から脳に移行しやすい。
3 体内に吸収された有機溶剤は、水に溶けやすい形に代謝されて尿中に排
泄される。
4 皮膚や粘膜への刺激性および麻酔性は、有機溶剤の共通した毒性である。
5 塩素化炭化水素有機溶剤は、造血器障害を起す。
問10 温熱条件に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
1 温度感覚に影響を与える環境条件は、気温、湿度、放射(ふく射)熱お
よび気流である。
2 修正実効温度は、黒球温度、湿球温度および気流から求められる。
3 高熱作業での許容温度は、労働強度が大きいほど低くなる。
4 熱痙攣は、著しい体温の上昇による筋肉の疲労により起こる。
5 熱虚脱では、一般に体温は上昇しないが、血圧低下や失神が起こる。
問11 騒音に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
1 騒音とは、人に不快感や生活妨害、健康障害をもたらす可聴域の音をい
う。
2 騒音計のC特性で測定した音圧レベルを騒音レベルとよび、職場騒音の
評価に用いられる。
3 等価騒音レベルとは、変動している騒音レベルをエネルギー的な平均値
で表した値に相当する騒音レベルである。
4 騒音性難聴での聴力低下は周波数4000Hz付近から始まる。
5 聴力測定は、騒音作業終了直後は避けて実施する。
問12 局所振動障害とその予防に関する次の記述のうち、誤っているものはどれ
か。
1 障害の発生には、振動への曝露時間が関係する。
2 症状として手指や前腕にしびれ、痛み、こわばりなどがある。
3 症状は夏よりも冬に起こりやすい。
4 レイノー現象の発生には、喫煙は関係しない。
5 チェーンソーは、振動加速度が一定限度以下でなければ販売および使用
してはならない。
問13 電磁波または音波 A と、その曝露によって起こる障害 B との次の組合
せのうち、誤っているものはどれか。
A B
1 紫外線 角膜炎
2 赤外線 水晶体混濁
3 可視域レーザー光線 網膜火傷
4 マイクロ波 水晶体混濁
5 超音波 緑内障
問14 電離放射線の被ばくによる健康障害のうち、被ばく線量がどんなに低くて
も、その線量に応じた確率で発生すると考えられているものは次のうちどれ
か。
1 白血病
2 消化管障害
3 不 妊
4 白内障
5 骨髄障害
問15 局所排気装置等に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
1 ダクトの断面積を大きくすると圧力損失は大きくなり、粉じんがダクト
に沈着しにくくなる。
2 除じん装置を設置する場合、粒子が比較的粗く、含じん量の多いときは、
コットレルよりもサイクロンのほうが効果的である。
3 制御風速を与える位置は、外付けフードではフード開口面から最も離れ
た作業位置である。
4 キャノピー型フードは、熱上昇気流がある場合に有効である。
5 有害なガス、蒸気等の発散面が広いために局所排気装置の設置が困難な
場合には、プッシュ・プル換気が有効な場合が多い。
問16 作業環境改善に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
1 有機溶剤を使用するときは、できるだけ有害性や揮発性の低いものを選
ぶのがよい。
2 全体換気装置は、局所排気装置よりも有効な換気法である。
3 有害なガス等を発散する設備を密閉した場合、内部は少し負圧としたほ
うがよい。
4 石材を加工し研磨する作業では、湿式にすることが極めて有効な方法で
ある。
5 除じん装置の選定にあたっては、含有粉じんの粒径分布を考慮する必要
がある。
問17 労働衛生保護具に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
1 使い捨て式防じんマスクのろ過材が汚染した場合は、中性洗剤を加えた
ぬるま湯で洗って乾燥させて使用する。
2 耳栓と耳覆いの遮音性能を比較すると、一般的には、低周波域では耳栓
が、中高周波域では耳覆いのほうが優れている。
3 呼吸用保護具面体の汗や脂による汚れは、中性洗剤を用いて洗浄する。
4 アーク溶接作業に使う遮光保護具は、レーザー光線用保護眼鏡として使
うことができない。
5 防じんマスクを着用するとき、マスクと顔面の間にやわらかい布などを
入れると気密性が悪くなる。
問18 防毒マスクに関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
1 一酸化炭素用吸収缶は、一酸化炭素の濃度が低いと触媒作用が緩慢にな
り、効率が悪い。
2 直結式小型防毒マスクの使用範囲は、環境空気中の対象ガス濃度が、0.1
%以下の場合であって非緊急時である。
3 防毒マスクの吸収缶の破過時間は、ガスの濃度が高いほど、長くなる。
4 隔離式防毒マスクは、使用できる環境空気中の対象ガス濃度の範囲が、
直結式防毒マスクより広い。
5 隔離式防毒マスクの吸収缶の上栓と底栓は、使用後、必ず締めておかな
ければならない。
問19 管理濃度に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
1 作業場における環境空気中有害物質の濃度が管理濃度以下であれば、労
働者に生じた健康障害は、その物質によるものではないと判断してよい。
2 管理濃度は、健康管理のための環境空気中有害物質の曝露限界を示すも
のである。
3 管理濃度は、環境空気中有害物質に関する作業環境の状態を評価するた
めの指標である。
4 管理濃度は、作業環境管理のための局所排気装置の性能を判定するため
の指標である。
5 管理濃度には、生物学的限界値、短時間曝露限界値および天井値がある。
問20 日本産業衛生学会勧告の有害物質の許容濃度に関する次の記述のうち、誤
っているものはどれか。
1 最大許容濃度(天井値)は、作業時間中のどの時間をとっても曝露濃度
がその値を超えてはならない濃度である。
2 種類の異なる物質について、許容濃度を比較することによりその有害性
の程度を比較してはいけない。
3 許容濃度と比較する曝露濃度は、各労働者の個人曝露濃度測定値の幾何
平均値である。
4 許容濃度以下であっても、人によって有害物質への感受性が異なり、健
康障害の発生を防止できない場合がある。
5 許容濃度表中の物質名に(皮)印を付けてある物質は、経皮的に侵入し、
全身影響を起こしうることを示している。