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2006年03月15日

「ついにATMに喰われる」


中東日記 その5

「ついにATMに喰われる」


長期の海外旅行をしているときのトラブルの中で意外とよく聞くもので困ることの1つに、

ATMにカードを食べられる

ということがある。
これはいろいろな状況があり、

PINコードを3回以上間違えるとそのまま出てこなくなったり、
特に何もしていないのにそのまま出てこなくなったりもする。
ヨーロッパとかだとATMに細工をして一時的にカードが出ないようにして、
いなくなった隙に回収してお金を引き出すなんてこともあるらしい。

まあとにかく結構普通に起きたりする現象であったりする。

ただ旅行者にとっては迷惑この上ないトラブル。

でもある程度注意することでトラブルを防いだり対処がしやすくなったりする。

私の場合は、

1.銀行の内または外に付属するATMを使用する
その辺の店先にあるATMを利用するとトラブルがあったときに非常に大変になる、
これに対して銀行でならなにかあったときでもすぐに対応できる。

2.昼間(銀行営業時間内)に使う
いくら銀行で使っていても営業時間外だと次の日になるし、
その間にどうなるかもわからないので昼間の方が良い

この2つを守るだけでもだいぶ違ってくる、
稀にATMでお金を下ろしたのにカードは出てきたけどお金は出てこなかったなんてこともあるらしいのでそれに対応するにも上記の2つをしておくとよい。

とはいえ結局これはATMにカードが食べられないようにするわけでもないので、
あくまで何かあったときの対処がしやすくなるだけ。

基本的にはカートを使うときにATMに食われないように祈るだけ。

しかし噂には聞くけど実際にATMにカードを吸い込まれるなんてそうあるわけもない、
ということでいままでいろいろな国を旅行してそのほとんどの国でATMでキャッシングしていたけど全然問題なかった。

2月23日(木曜日)
この日はイスラエルのエルサレムにいた、
もちろんここでもキャッシングで現地通貨を引き出していてすでに2回ぐらい下ろしていた。

イスラエルは出国税に30ドル(めちゃ高い)ぐらいかかるので最後にこの分と交通費など必要な分だけを下ろすつもりだった。

昼間は観光をしていて忙しくてこのときは珍しく夜にATMでお金を下ろすことになる。
まあでも普通に使っている分には大丈夫だろう、
一応警戒だけはして前に使ったATMにいってお金を下ろすことにする。

銀行の外のATMまでいくけど、
夜なのでかなり暗くてライトアップもされていない。

ここのATMは2台並んである、
普通は1台しかない、もしくはちょっと間隔をあけて設置されているので珍しい形。

しかもなぜか機種も違っていて1つは液晶でかなり明るいのに、
もう1つは白黒画面でかなり暗い。
どうみても液晶の方が新しいそうで性能よさそうなのでそっちを使う。

カードをいれて操作しようとするけどなぜかPINコードをいれる画面に変わらない、
そもそもヘブライ語(イスラエルの公用語)なので何が書かれているのかもよくわからない。

なんだこれは?
おかしいなー、と思ってやっと重大なミスに気づく。

そういえば昼間使ったときは確かこっちの機械ではなく、
となりの古そうな機械を使った。

なんでそんなことをしたかと思いなおしてみると、
今使っている機械には上のほうに張り紙がしてあってインフォメーションのみとか書かれていたからだった。

なぜインフォメーション専用の機械なんて置いてあるの?
そしてなぜそれにカードを入れるところがあるの?

とにかくよくわからないけどキャンセルを何とかしようとするけどインフォメーションを表示していくだけでカードをはく気配はさっぱりない。

どうなっているんだよー!
なに食ってるんだ!
はけ、はけ!

とか言いながらいろいろやっていると、
となりのATMを使っていたおばちゃんが話を聞いてくれて、
なんとかキャンセルをしてカードが出ないかためしてくれたけどやっぱりダメだった。

おばちゃん曰く、
これはインフォメーション専門だから使っちゃダメよ、
明日の銀行の営業時間内にまた来るしかないわね
とのことだった。

普通ならエマージェンシーコールとか書いてあってもよさそうなものなんだけどそれもない。

いつもなら長期旅行だし、
ATMにカード食べられちゃった、これも経験だよねー。
ぐらいですむのに、

明日イスラエルを出国する予定で、
イスラエルの休日は金曜日の午後から土曜日にかけて、
なので国境も午前で終了する。

もともとイスラエルの国境は出入国が厳しいことで有名で時間がかかるはずなので、
できるだけ朝早くに出て国境についておかなければいけない。
しかも私の予定では出国してヨルダンに出てそのまま南の方の町へと移動して夜には次の目的地についているつもりだった。

このままでは出国すら怪しい、
しかもイスラエルに来るのに荷物検査があって面倒なので荷物もすべてヨルダンにおいてきているので、
パソコンどころかガイドブックすら持ってきていない。
なので出国できなくてさらに1泊することになったとしてもここでやることさっぱりない。

よりによってまさに最悪のタイミングでATMにカードをすわれてしまった。


とにかくもはやどうにもならないみたいなのであきらめてホテルに帰る。
かえってどうしようかと悩んで、
なんならこのまま捨てていくか?
という考えもでる。

非常に用意のよいバックパッカーの私はクレジットカードを4枚も持っているから、
クレジットカードの1枚なんてなくなってもまったく問題ない。

旅行をしていると世界一周の旅をしている人とか長期の旅行者で1枚しか持って来ていなくて、
それが今回のようにATMに食べられたり、スリや強盗などに取られたりしてなくなって困っている人とかをたまにみかける。

どう考えても1枚では無理でしょう、
いくら行き当たりばったりの旅が面白いといってもそこは用意しておこうよ、日本人パッカー。

私の場合はクレジットカード4枚にさらに1枚PULSという銀行の口座から直接下ろせるカードも持っているので、
ATMからお金を下ろせる手段は5つあることになる。
このうちの1つがなくなってもまあ対して問題ない。

でもただカードを捨てていってそのままというわけにもいかなく、
盗まれたときと同様に不正利用をされないためにカードの停止をしてもらわなければいけない。

でも用意のよいバックパッカーはこの点もすでに考えてあります!

そもそも荷物は盗まれるものという考え方から準備をしているのでなくなることなんて想定済み、
なくなったときのためにクレジットカード番号を書いたメモ用紙がバックパックとサイドバックに1つずつ入っている、
もちろんそのままの番号だとそのメモ用紙が取られたときにインターネットなどで買い物できてしまうので、
番号を少し変えて暗号化済み。

さらに荷物などなにもかもがなくなったとき用に自分のメールアドレスにも同じものを送ってあり、
インターネットさえ見れればそれも確認できる。

カードの使用停止もフリーダイヤルのところが多いけど海外から英語で書けたりするのも面倒だし、
田舎のほうでなくなったら国際電話自体が大変。
でも私は日本の両親にカード番号とカード会社の名前を書いた紙をおいてきている。

よって私がもしカードを捨てるためにするべきことは、

家にメールで「この会社のカードがなくなったから日本のオフィスに電話して止めて」という文章をおくるだけ。


社会人上がりのバックパッカーは用意周到なのです、
私としては仕事ができるできないは、頭が良い、悪いというよりは

用意周到で根回しが良いか悪いか

あらゆる状況を想定した上で準備して、人にもすべて確認などを取り付けておいて話を進めないと、いちいち話が元に戻ったりダメになったりして仕事進まない。

そりゃこれだけ用意周到だったらお仕事もバリバリできてしまいますよ。


まあそれはおいておいて、
カードを捨てるのは非常に簡単で問題はない。

この旅のメインはアフリカ縦断の旅で中東はおまけみたいなもの、
なので中東はかなりペースよく次々と学生パッカー並のスピードでまわってきていた。

せっかくペースあげていたのに何にもやることもないエルサレムで無駄に時間を過ごすのは非常に苦痛。

でもこれもバックパッカーとしては結構よい経験ともいえる、
そもそもATMにカードを食べられた場合は回収はどんな風にするものなのだろうか?
というのを知りたくもある。

それならとりあえず回収を試みるだけは試みてみるかという結論に達した。
でもエルサレムにもう1泊はいやなので最悪でもヨルダンに出国できる時間として、
午前10時までに回収できなかったらあきらめる、という期限付きで回収をしてみることにした。


翌日、ヨルダンから一緒に来た2人は朝7時半にはホテルを出て国境へと向かっていった。
私は銀行が8時半からなのでゆっくりして8時過ぎにでて歩いていく、
8時15分にはついて銀行が開くのを待つけど8時半になっても開かない、
現地人も8時半に来ているのになぜ開かない?
と思っているとなんか他の人はヘブライ語で書かれた説明文みたいな張り紙をみて納得していたので私も見ると、

2月22日から営業時間変更で午前9時からになると書いてあった。
それなら大きい営業時間の看板も合わせて直せよ!
ATMにカードを食べられてこの銀行にむかついている私は一人文句を言いながらあくのを待つ。

9時になってやっと銀行が開いてなかにはいる、
他の人もいたので急いでカウンターに行こうとするけどやたら広い上になぜかオフィスみたいなレイアウトになっている。

どこに並べばいいんだこれ?
他の人はどうするんだろうとみるとなぜか2階へと上がっていく、
何すればいいのかわからないのでオフィスにいた人に

カスタマーサービスどこ?

と英語で聞くと2階に上がれといわれる。

上がったところで警備員にまた聞くと、
あっちといわれていくと開店と同時に私と一緒に入ってきた人たちがすでに並んでいた、
まあそれはたいした数じゃないからいいんだけど、
その並んでいる場所は

どうみても一般営業をしている感じ、
両替とか小切手、振込みなどを普通にやっている、
窓口は2つしかなくてそれぞれ大忙しな感じ。

すでに9時5分、
これは回収は無理だな・・・

とはいえせっかくきたのにこのまま帰るわけにも行かないので並ぶ、
結構進みは速くて3分ぐらいで私の番になる。


昨日外のATMつかったらカードそのまま出てこなくなった、カード返して!

こんな一般業務をしている受付のお姉ちゃんにいってもしょうがないと思うけど・・・
思っていると、

外のATMなの?
2つある機械のうちのどっち?
と聞き返された。

予想外にちゃんと聞いてくれるのか?

正確にはATMじゃなくてインフォメーションの機械なんだけど。
というと

それならあそこにマネージャーがいるからマネージャーに話してといわれた。
なんだイスラエル人以外と対応いいじゃないか、
さすが世界の金庫番といわれるだけはある、お金儲けのうまさでは日本人か、ユダヤ人か、というぐらいだからなー。

さっそくマネージャーのところにいく、
そして

あなたマネージャー?ときくと

そうよ、今日はね。
という返事が返ってくる。

今日はマネージャー?
じゃあ明日はなんになるんだ?
それともマネージャーが日替わりなのか?

世界の金庫番の考えることはよくわからん。

とにかく事情を説明すると、

「回収は無理!
ATMはマネージャーじゃなければどうにもならない。」

「いやいや、今日のマネージャーはあなたでしょ?」

「本当のマネージャーは次の日曜日にしか来ないの!」

「本当も偽者もあるか!とにかくカード返して!」

「私は休日だけのマネージャーなの、だからATMをどうするとかいう権限はないのよ!」

どうもユダヤ教は金、土が休日になるので行員の多くはこの日は休みみたい、
ましてやマネージャークラスなんて当たり前のように休むのだろう。

これはもう回収は無理だな、
イスラエル人めー、世界の金庫番ならせめて自分の金庫ぐらいしっかり管理しろよ!
無駄に時間使わせやがって!

などとぶつぶつ文句を言いながらあきらめてかえろうとすると、
先の窓口にいたお姉ちゃんが客が列を作って待っているのにわざわざこっちにやってきた。

そして休日限定マネージャーとヘブライ語で話をする、
するとマネージャーが

あなたがカードを使ったのはATMそれともインフォメーションの方?
ときいてきた。

インフォメーションの方だけど、
というとそれなら回収できる、そこでちょっとまっていてといわれて

お姉ちゃんとマネージャーが下に降りていった。

私は毎回説明するときは外のATMといって説明をしている、
そもそもインフォメーションの機械なんていっても相手がわかるとは思っていなかった。
どうやらATMはお金とかが入っていてあけるのは大変みたいだけど、
インフォメーションなら別に何にも入っていないから開け閉め自由みたい。

1分もしないで戻ってくるとマネージャーが私のカードをもっていた。
パスポートで名前などをチェックしてすぐに私に返してくれた。

予想外にあっさり回収できて9時20分には銀行を出ていた。

ATMに食べられた場合はどうなるかわからないけど、
この分だと銀行のATMで食べられたらなおそらく結構普通に回収できるような感じ。

しかしあのインフォメーションの機械は結局なんだったんだろう、
なんか為替レートとか表示されたりローンの表示とかが出ていたような感じだけど、

そんなもの変なところにおいておくなよなー、
なんでカードを入れるところがあるんだよー、
そしてなぜそれをそのまま飲み込むんだ?

まさに謎だらけのイスラエルのインフォメーションの機械、
これが世界の金庫番の国では普通なのだろうか・・・


ちなみにこのあと予定通りヨルダンへと向かい、
なぜかヨルダンに入国してバスにのろうとしたら7時半に先に出た2人とあった。
2時間ぐらい遅く出たのになぜか追いついてしまった。
出国は私も向こうもあっさりで1分ぐらいで終わったらしいんだけど何でだろう?
これも世界の金庫番マジックなのだろうか?


旅行中の小話 Part-3

『ジャッキー・シェン』

中東ではなぜかジャッキー・チェン(中東ではシャンと発音するみたい)が大人気です。
映画とかがよくやっているようで中東の人ならかなりの確率で知っています。

それはいいんだけどなぜか奴らはジャッキー・チェンを

日本人だと思っています!

まあ中東や欧米人にとって東洋人の顔なんてどれも一緒に見えるのでしょう、
そして日本は車やパソコンなどいろいろな面で有名なのでそこから日本人だと思っているみたい。

道を歩いているとたまに、
ジャパニーズ、ジャッキー・シェン!
というように声をかけられたりします。
(南米でも同じように声をかけられたりすることもたまにある)

せっかくなので立ち止まって話をすると、

日本人だろ、ジャッキー・シェンを知っているか?
というように再度聞いてきます。

知っていると答えると、
ジャッキーは日本人だよな
と聞いてくることも結構あります。

こんなときは、

うん、日本人!

と答えておきましょう。
嘘はいけないことだけどこれには理由があります。

だいたいこの手の質問はほとんどパターンが決まっていてさらに

日本人はカンフーできるんだよな、
お前もできるのか?
と聞いてきます。

そんなときは

うん、できる!
日本人みんなカンフー使いね!

と答えておきましょう。

彼らの中ではジャッキー・チェンは、
ハリウッド映画とかの筋肉ムキムキのスーパーヒーローとか現実離れした運動能力の持ち主、銃とかを使って戦ったりするみたいなものではなく、
逆に常に素手で戦ううえに戦い方が現実的で大人数でも1人でガンガンやっつけるという格闘家のイメージ。

だからすごく強いということで、
そのジャッキーがつかうカンフーを使えるのだから日本人も強いと思っていたりするみたい。

これは結構良い誤解で日本人が強いと思えば強盗とかにも狙われにくくなる、
まさか挑戦はしてこないだろうし、強いと思われていた方が旅行者にとっては良い。

たまにカンフーを見せてくれ、といわれることがあるけど、
私の場合は

それはシークレットなので見せれん!
カンフーを使うのは戦うときだけだ!

とかわけのわからないことを言って逃れています。

だから聞かれたら、
日本人はみんなカンフー使える、強いんだよー、
といってどんどんこの嘘の情報を広めてやりましょう!


日本人総カンフー使い化計画推進委員からのお願いでした。

投稿者 nabe : 2006年03月15日 22:23


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